アカデミックプラザ
コオロギ粉末を添加した植物性たんぱく質由来代替肉の食品テクスチャー
- 口頭発表あり
2024年06月04日(火)16:10~16:40
テーマ
フードテック(代替食品など)
研究機関名
日本大学大学院生産工学研究科マネジメント工学専攻
代表者名
小林奈央樹
発表概要文
エクストルーダーを用いた組織化タンパク質素材の開発は1970年代から行われており, 農産物の利活用向上や機能性食品の開発, さらには様々なたんぱく質源, たとえば大豆や小麦等の植物たんぱく質等を原料とした肉様繊維状組織 (代替肉) の作製などに利用されている。特にエクストルーダーの処理条件をコントロールすることにより既存の食肉に近い組織構造やテクスチャーが与えられることが知られている。動物たんぱく質を代替する素材として, 上記の植物たんぱく質の他に, コオロギなど昆虫たんぱく質や培養肉などの利用が進められており, 持続可能な社会に寄与するものとして研究のニーズは高い。 本研究では, コオロギたんぱく粉末を原料の一部にエクストルージョンクッキング技術を用いて作製された植物性たんぱく質由来代替肉に対して, Texture Profile Analysis (TPA) 等の物性評価を実施し, コオロギ含有量とテクスチャーとの関連を調べた (図1, 2)。その結果, TPAパラメータ, 特に hardness, adhesiveness, springiness では有意な傾向が示された (図3)。これらの結果を踏まえ, コオロギ含有植物性たんぱく質由来代替肉と牛肉等の畜肉のテクスチャーとの比較を実施することでその力学的特性について議論を行う予定である。