アカデミックプラザ
小麦空白地帯 東北日本海側における小麦栽培への挑戦
-有望系統を対象とした栽培試験と製パン製めん試験-
テーマ
飲食料品加工(その他)
研究機関名
国立大学法人山形大学 農学部 食料生命環境学科 地域資源循環学
代表者名
中坪あゆみ
発表概要文
背景 ・東北における小麦の主要品種 ゆきちから・ナンブコムギ ・一定の需要はあるが様々な問題が存在 ・新品種導入に向けて、生産者・実需者双方にとってメリットのある品種育種が進行中 ・これまでの栽培試験の結果から、4系統が有望である可能性が示唆 ・しかし、育成地での結果と比較してタンパク質含有率が低く、特に追肥量の改善が必要 ・研究目的 山形県庄内地域における有望系統の子実タンパク質含有率の改善 ・検討事項 追肥量や追肥方法、製パン・製めん試験による品質評価 材料と方法 ・試験地 山形県鶴岡市(山形大附属高坂農場普通畑) ・試験期間 2022年9月下旬~2023年6月下旬 ・供試系統 計7系統 ゆきちから、夏黄金、盛系D-B101、盛系D-B135、ゆめちから、北海267号、勝系170号 ・処理区 系統ごとに追肥量や時期、方法が異なる3種の処理区を設置 ・材料 系統ごとに子実タンパク質含有率13%(水分13.5%)に調製 その後60%粉にし、製パン・製麺試験に供試 結果(Fig1) ・栽培試験 北海道型施肥方法の採用(N20kg/10a) ➞ 子実タンパク質含有率の改善に寄与 収量・タンパク質含有率ともに良好 ➞ 北海267号 収量・タンパク質含有率良好、倒伏の危険 ➞ 盛系D-B101 収量面での改善が必要 ➞ 夏黄金・勝系170号 ・製パン試験 どれもゆきちから以上の製パン適性 ➞ パン用品種として有望 Fig1 a)c) ・製めん試験 ゆきちから以上の製麺性 夏黄金、勝系170号、盛系D-B135、北海267号 ➞中華麺用品種として有望 Fig1 b まとめ 東北日本海側において、夏黄金、勝系170号、盛系D-B135、北海267号は北海道型施肥(N20kg/10a)の実施すること製パンおよび製めんにおいて有望である。