製品・技術・サービス概要
固体培養の産業化技術とは、微生物の潜在能力を選択的に引き出して目的の有価物(酵素や有機酸など)を安定的に大量生産する技術。醤油・味噌・清酒・焼酎など日本の伝統的醸造製品の品質や生産性を決める重要なプロセスである製麹(せいぎく、麹づくり)は、米・麦・大豆など固体状の穀物原料に麹菌という微生物を直接生育させる、日本独自の固体培養技術である。この固体培養技術を用いて様々な固体原料を付加価値のあるものに変化させることを、食料・飼料・エネルギー・バイオ素材などあらゆる産業分野に応用し、「固体培養技術が持続可能な循環型社会における基盤技術となること」が期待されている。
製品の特徴
- 【固体培養技術とは】
微生物の潜在能力を選択的に引き出して目的の有価物(酵素や有機酸など)を生産する技術であり、醸造業界では麹づくりで使われている技術である。
これまでに価値の低かった植物性原料に対しても固体培養技術を用いることで、微生物の生育により、原料の高付加価値化、高機能化などが期待できる。 - 【機器構成】
固体培養するために必要な培養物温度制御、攪拌、培養中のデータ測定を備えたユニットとなっている。ユーティリティ(水、エア、電気)を接続するだけでどこでも運転が可能であり、設定条件通りに自動で制御を行う為、無人での培養が可能である。また、本機は実機(大型装置)と同様の方式での固体培養を行う為、再現性の高い、産業化(大型での培養)を想定した固体培養を行うことができる。 - 【産業化が期待される分野】
食料分野、飼料分野、エネルギー分野、バイオプラスチック等への展開が期待される。循環型社会の実現に向けて必要な分野ばかりであり、効果的な物質生産や原料の高付加価値化ができるようになれば需要拡大が見込まれる。 - 【事業化に向けて】
本機で固体培養による有価物の生産方法が確立できれば、機器をスケールアップさせることで大量生産が可能になる。生産量は数百キロ~数十トンクラスまで幅広く対応可能である。